スタッフブログ

    収穫の秋

    2012/11/17

    一か月ほど前になりますが、ひたち海浜公園も実りの秋を迎え、ボランティアの皆さんと、ささやかですが収穫の秋を楽しみました。

    まずは茨城の代表的な味覚“栗”。栗は縄文時代から野山の代表的な食糧。茹でたクリを鍋で皮の表面が少し焦げるぐらいまで炒って、食べると焼き栗の様な濃厚な味になります。私はこの食べ方が好きです。

    さて、公園の中には秘密の花園ならぬ秘密の水田があります。未開園エリアの『沢田湧水地』の奥の『茨城県港湾保全区域』の中ですが、昭和50年ごろまで耕していた水田の跡です。

    沢田湧水地源頭部付近

    たかだか30㎡ぐらいですが、公園ボランティアさんたちと今年の春開墾し、沢田湧水の水を引いて田植えをしました。もち米の黄金もちです。

      

      

    水田が出来たのが6月、稲刈りは10月11日、植えるのも刈るのも遅くなってしまいました。これでは本職の農家の方に笑われてしまうかもしれませんね。刈り取った稲は古民家の前に、おだ掛けをしました。実りの秋を感じられるワンシーンでした。

     

          (管理センター長 玉木)

    ソバの収穫

    2012/11/5

    今秋、みはらしの里で咲いていたソバの花も実り、収穫の期に来ています。

    ※写真はすべて11/5(月)撮影

    現在、古民家前でおだ掛けをし乾燥させています。

    ソバの品種は茨城の“常陸秋蕎麦”。冬のイベント等で登場する予定です。

    お楽しみに。

    (広報チーム)

    ボランティアまつり開催しました!(その1)

    2012/10/25

    ***

    10月21日、海浜公園開園以来初となる「第1回ボランティアまつり&都市緑化祭」を開催しました。

    海浜公園では、市民が公園ボランティアとして公園の管理運営に参画できるしくみとして、パークパートナー制度を推進しています。この制度のもと、パークパートナーと呼ばれるボランティアのみなさんが、それぞれの関心や技能に応じてグループを組織しており、その登録者数は400名を超えています。

    ボランティアまつりでは、それぞれのグループが様々な趣向を凝らした出展をして、お客様をお迎えしました。

    それでは、各パートナーグループごとに、当日の様子を少しずつご紹介しましょう。

    ●ハーブパートナー
    ●記念の森パートナーズ
    ●野生植物パートナー
    ●里山パートナー
    ●砂丘美化パートナー
    ●パークアテンダントガイドボランティア(その2にて紹介)
    ●みはらしの里パートナー(その2にて紹介)

     

    まずは開会式の様子です。ボランティアのみなさんと都市緑化祭関係のみなさんが集結しました。(大勢すぎて写真におさまりません・・)

     

    *****

    ●ハーブパートナー

    「香りの谷」で育てたハーブを使ったミニブーケ作りとサシェ(香り袋)作り体験は大盛況!用意したドライハーブはあっという間になくなってしまいました。

     きれいにできました!

     

    ●記念の森パートナーズ

    形も色も様々な葉っぱを自由に組み合わせて、オリジナルのしおり作り体験を行いました。こちらも大賑わい!ボランティアのみなさん大忙しです。

    ハーブパートナーと記念の森パートナーズは、園内の花風景の創出に関わっているグループです。

    *****

     

    ●野生植物パートナー

    都市緑化祭の恒例「公園検定・都市緑化検定」コーナーは、野生植物パートナーが担当しました。園内の植物を主題材にした問題は難しいと思いきや、パネル展示がしっかり役にたち大勢の方が満点の賞状を手にしていました。

     

    ●里山パートナー

    里山パートナーは、自分たちが保全活動を行っている里山林のガイドツアーを行いました。初めてのお客様は迷子になりそうな広大な里山林ですが、ボランティアのガイド付きなら安心です。里山の入り口で、トレインに出会いました。

    野生植物パートナーと里山パートナーは、園内の貴重な野生植物およびその生育環境の保全や管理等に関わる活動を行っています。

     

    *****

    ●砂丘美化パートナー

    砂丘美化パートナーは、昨年12月から活動を開始した新しいグループです。湿地保全のために、水田づくりを行い、今年初めて収穫した稲をボランティアまつり会場の一角で脱穀しました。

    ボランティアのみなさんが、足踏み脱穀機を使って稲を脱穀していると、途切れることなく人だかりができ、懐かしい!という声があちらこちらか聞こえていました。

     

    (企画2課)

    コキアの堅い話

    2012/10/22

    「コキア」はアカザ科ホウキギ属の植物で和名は“ほうき草”といいズバリほうきを作る事に由来しています。原産はヨーロッパの荒れ地に育つ雑草です。日本には中国より食用として渡来しました。ヨーロッパの古い時代の物語に出てくる魔女がのって夜な夜な空を飛ぶ箒がこれで作られたものです。ひたち海浜公園のコキアは特別に丸くて大きくなる品種であり、緑色が10月に入ると赤くなるシステムはカエデが紅葉するのと同じです。

    冬が近つくと気温が低くなり、根の吸水作用が弱まります。一方、空気が乾燥し、葉からの蒸散作用がしやすくなります。落葉系の植物は葉柄の基部や茎の部分に離層を作り水分や養分が失われることを防ぎます。そのため葉で作られた糖分がたまってゆき、紅色の色素が作られます。植物の本来の緑色は、クロロフィルが植物の活動が止まると共に緑色が消えて紅色が残ります。黄葉も同じ原理です。なぜ日本人は紅葉が好きなのでしょうか。

    これは私が中国の湖南省の農村を昨年の8月の下旬に旅をした時に分かりました。埃っぽい農家の庭先にトウモロコシの黄色と唐辛子の赤色が、何処までも何処までも干してあるのです。

     

    その風景を見て全く違和感を感じませんでした。日本人も頭の中にこの中国の自然感がきっと生きているのだと思います。

    日本の皆さん、見頃のピークは過ぎましたがまだ楽しめる、ひたち海浜公園のコキアをお早めに見に来て下さい。この日本人の感性に感動しましょう。


    10/21撮影

    ちなみに下は“都市緑化フェアTOKYO” 日比谷公園会場のコキアたち。
    ひたち海浜公園からやって来たコキアで作り上げた世界地図(~10/28まで展示)

     

    ビルの上から撮りました。


    自称ユニークな、私でございます。

    (管理センター長 玉木)

    コキアの丘になるまでに…

    2012/10/17

    今でこそコキアの名勝となっている“みはらしの丘”ですが、立派な丘になるまでには長い道のりがありました。

    現在、花々が美しく咲くこの公園がある場所は、かつては日本軍水戸東飛行場があり、終戦後は米軍により射爆撃場として使われていました。

    射爆場での演習風景

    誤爆や騒音に苦しめられた地元住民を中心とした十数年にわたる返還運動により、昭和48年3月に日本に返還されました。その後、「平和の象徴として公園を整備したい」という地元の強い思いにより、『国営ひたち海浜公園』が誕生することになりました。無数の爆弾や銃弾が撃ち込まれた標的の跡は、今では花いっぱいの丘に生まれ変わりました。

    建設中に発掘された不発弾

    みはらしの丘は、米軍の水戸射爆撃場のメインの的があった場所に人工的に整備された高さが30mの丘です。使用した残土は大型トラック20万台分、約25年かかって造成しました。丘には3つの頂上があり、一番高い頂上は標高58mで、ひたちなか市の最高地点です。


    造成工事中の「みはらしの丘」 平成13年空撮

    当時は、秋の「みはらしの丘」は、コスモスが一面に広がっていました。秋の花を代表するコスモスの丘にコキアが加わったことにはある理由があります。

    コスモスだけの「みはらしの丘」2005年撮影(2006年そよかぜ通信秋号)

    太平洋岸に位置するひたち海浜公園は、砂丘や松林中心の特色ある自然環境を活かしつつ整備された公園です。「紅葉する木々が少ない園内で、季節の移ろいを感じてほしい」、当時の担当者は、紅葉して形も可愛らしい一年草のコキアに着目。2年間の試験植栽を経て、2007年から一般公開されました。


    試験植栽 2005年

     


    コキア一般公開初年度 2007年

    夏から秋にかけての暑さや台風は、植物の状態を大きく左右します。コキアの紅葉とコスモスの開花時期を合わせるため、これまで培った経験をもとに様々な工夫をしてきました。

    そして、今年で6年目を迎えた秋の「みはらしの丘」には、満開のコスモスと真っ赤に紅葉したコキアが広がっています。

     
    2012年10月17日撮影

    見頃は今週末(21日ごろ)まで続きます。来週からは徐々に赤から茶色のグラデーションに変わっていきます。コキアは緑から赤、茶色へと変わる七変化がお楽しみいただけるのも特徴だと思います。茶色のコキアも趣があって私たちは好きです。11月に入ると刈取りが始まります。ぜひ、この立派に育ったコキアたちを見に来てください。早目のご来園をお奨めいたします。

    千紫万紅の景色をご覧ください。


    2012年10月17日撮影

    (広報チーム)

    風になびくススキの丘

    2012/10/10

    おや? これは丘の斜面を埋め尽くすススキの丘?

     

    海風を受け、太陽の光を受けキラキラと輝く様子は水面(みなも)のようです。 見慣れない風景ですが、この公園なんでしょうか…?

      

    ここは、コキアが色づき始めたみはらしの丘の裏側。 今年5月に新園路とサイクリングコースが延伸し、開園エリアが広がりました。 今月下旬までに刈り取られる予定ですので、ススキをご覧になりたい方はお早めにご来園ください。

    (広報チーム)

    チョコレートの香り…?

    2012/10/3

    秋の涼風と共にコスモスが揺れる季節となりました。

    コスモスはキク科の一年草で、18世紀にメキシコからスペインに送られ命名されたもので、「宇宙」を意味するスペイン語のcosmosに由来します。そのもとは、「秩序・調和・美麗」などを意味するギリシャ語のkosmosにさかのぼります。

    満天の星空のように輝いて美しく咲く様子から、コスモスの名前がつけられたのでしょうか…。

      

    この時期の風物詩でもあるコスモス、種類は大きく下記の3つに分けられます。

     

    ◆コスモス Cosmos bipinnatus Cav.
    草丈2mになり、8個の花びらと中心花からなる6~8cmの花を咲かせます。花の色は白桃、紅が主体。明治時代に日本へ渡来したと言われています。

    ◆キバナコスモス Cosmos sulphureus Cav.
    草丈が短く、花径は5cmほどで八重咲き。黄色、橙色、朱紅色、橙赤色などがあります。大正時代に渡来しました。

    ◆チョコレートコスモス Cosmos atrosanguineus (Hook.) Voss
    上記の二つとは異なる品種で草丈40~60cmほど。大正時代に輸入されましたが、原種のチョコレートコスモスは、野生では絶滅したとされています。

    チョコレートコスモスは、その名の通りチョコレートの色と香りをもつ品種で、最近人気が高い種類の一つです。

    近年になって、キバナコスモスとの交配種「ストロベリーチョコレート」という品種が開発されているそうです。

    この公園の中央フラワーガーデンにも現在花を咲かせています。

     

    香りを嗅いでみると…

    チョコレートのお菓子の箱の香りがしました。

    花言葉は「恋の終わり」、何とも切ない、ビターチョコレートのようですね。

    公園にいらした際は、ぜひ『チョコレートコスモス』の香りを楽しんでみてください。

    (広報チーム)

    ツリフネソウ ~釣船草~

    2012/9/30

    9月23日(日)に開催予定だった“海浜公園ネイチャーツアー「沢田湧水地(秋)」”が荒天のため中止となってしまいました。

    普段入ることのできない未開園区域にある沢田湧水地には、砂丘に湧き出した水で流と湿地が形成され、多様な動植物が生息および生育しています。ホトケドジョウを観察したり、満開のツリフネソウを観察したりします。赤紫色のツリフネソウは、その名の通り花をつるしたような独特の形をし、沢田湧水地の秋の見どころとなっています。

    せっかくなのでツリフネソウについて、ここで紹介したいと思います。

    秋の代表的な山野草の一つです。 一度この花を見たら忘れない花の一つです。花器の「釣船」に似て、細い枝先から細い繊細な柄を幾つも伸ばしその先にバランス良く船の形をした花をつけます。大型で紅紫色の目立つ花で、低い山歩きで沢筋を歩いているとこの季節に見かけます。

    ひたち海浜公園でも、沢田川の観察用木道筋に沢山見られます。この季節大型のマルハナバチが蜜を吸いに集まっています。見方によっては、ハナバチを待っている様にも見えます。

    実は私も最初に覚えた山野草がツリフネソウでした。

    (管理センター長 玉木)

     

    オバケカボチャが海浜公園に来るまで

    2012/9/23

    本日から、当園の『中央芝生広場』にて“オバケカボチャとあそぼ”と題して、70個の巨大なカボチャが登場しました。 このオバケカボチャたちは県内の常陸大宮市からやって来たのですが、実はここに来る前に、こんなストーリーがあったのです。

    昨日、9月22日(土)常陸大宮市緒川地区「物産センターかざぐるま」にて、第四回お化けカボチャコンテストが行われました。

    〈コンテスト会場〉

    この地区の農家46戸が参加して、300個ぐらいのカボチャが出品されました。今年は夏が暑く雨が少なく不作だと言われていましたが、農家の方々の努力が実を結んだ様です。

    〈入賞者への商品です〉

    一番大きながカボチャは118 kg、全体に粒が揃いとても迫力が有ります。このコンテストの模様は9/22(土)のNHKのニュースでも取り上げられました。

    〈緒川地区農家の方々〉

    このカボチャの種類はアメリカ、カナダ辺りで盛んに作られています。世界最大は800kgぐらいのものが作られているようです。日本でも400 kgぐらいには育っているようです。種類はアトランテックオーシャン.ギネスポンキン.ハロウィンなどを各種苗会社から種が販売されています。少し前までは家畜農家が栽培して、チップにして乳酸発酵させた物を家畜の飼料に使っていましたが、現在はハロウィンなどのイベント的な利用になっています。ギネスはカボチャらしくない色々な形になるようです。アトランテックはカボチャらしいドッシリした形になるようです。とても肥料食いで、一般家庭では栽培は難しい様です。私も10kgぐらいのものが家庭菜園で一個生りました。

    〈私です〉

    我もと言う方は挑戦してみてください。カラスに突かれたりしましたが何とか成長しました。

    ぜひ、公園にお立ち寄りの際は、大きなカボチャを転がしたり、自由に触れてみたり、記念撮影をしたりしてみてはいかがでしょうか? 展示イベント最終日の10/28(日)にはハロウィンのイベントも開催します。 是非遊びにいらしてください。

    (管理センター長 玉木)

    不思議な妖精の現れる季節が到来

    2012/9/20

    今年の夏は暑かったですね。

    森の中も蝉の声がいくらか静かだったような気がします。

    しかしひたちなかの森は海からの風がとても爽やかでした。

    9月に入り、残暑厳しい中にも雷雲の発生でこのところお湿りが続いています。落ち葉がしんなりとして湿り気を十分に含んできました。

    おや?

    森の雑木林の薄暗い中に白い頭の唐傘を被った長身の人形が沢山並んでいます。30人はいるかな。みんな真っ白なマントを付けています。

    実はこれ“マントカラカサダケ”というキノコなんです。

    最初は白いマッチ棒見たいですが、2日目にはマントが見えてきて、3日目には傘を被って行進です。マントカラカサタケがこんなに沢山現れるのは珍しい事です。高さ40cm、傘の直径25 cmでキノコの仲間では目立つ存在です。

     

    これも夏が暑かったせいかも…。

    ひたち海浜公園はもう秋の爽やかな季節を迎えました。これから紅葉を迎えるコキアとコスモスを見にいらして下さい。

    思わぬところで、森の中で不思議な妖精たちにも会う事が出来るかも…。

    (written by 管理センター長 玉木)