生物多様性の宝庫『沢田湧水地』でかいほり体験
ネモフィラやコキアが一面に広がるみはらしの丘。そんなみはらしの丘の北側にあるのが、今回突撃取材を行うフィールド沢田湧水地です。このエリアは特殊な地層で海のすぐ近くにも関わらず湧水が豊富。そんな湧水地には多種多様な動植物が暮らしています。この豊かな環境を維持・保全するために欠かせない活動…それが『かいほり』。本来、水が湧き出ていた場所に水草や泥が積もって、埋まってしまった池を再生する作業です。そんな『かいほり』を体験してきました!
わたなべ めいちゃん
(小学校3年生)
わたなべ ゆうだいくん
(小学校2年生)
テニスが大好きな姉弟めいちゃんとゆうだいくん。お姉ちゃんのめいちゃんは理科好き!弟のゆうだいくんは図工が大好きな仲良し姉弟です。
ひたちなか市環境シンポジウム2018
国営ひたち海浜公園のスクールパートナー第1号でもある阿字ヶ浦中学校では、沢田湧水地の生物調査や「かいほり」を行っています。1年を通して、ほぼ水が湧き出なくなった状態の湿地でも、「かいほり」を行うことでもう1度ため池に再生。その結果、環境省絶滅危惧種のホトケドジョウや茨城県希少種のオゼイトトンボが暮らしやすい環境を整えてあげます。池を再生する前と後での環境変化を調査し、その途中経過を今回のシンポジウムで発表してくれました。発表を聞いためいちゃんからは「どうやって生きものを集めるんですか?」やゆうだいくんからは「かいほりで掘る池はどれくらいのサイズですか?」などお姉さんたちに質問がありました。
沢田湧水地で「かいほり」体験に参加
ヤゴやアカハライモリなど、多種多様な生物が暮らしている沢田湧水地。茨城生物の会や沢田湧水地パートナーの皆さんの協力の下、泥や水草で埋まってしまったため池から泥を掘り起こして池を再生します。様々な大きさの池がありますが、3畳程度の広さを最大1mほど掘ると湧水がにじみ出てきます。そんな作業を実際に体験できるイベントです。年数回開催されるこのイベントは事前予約制ですが、当日空きがあれば参加できます。ひたち公園管理センターに申し込みをし、当日は沢田湧水地のあるネイチャーセンターに集合します。センターに到着したら名簿に名前を記入しいざ出発!出発までネイチャーセンターで、ひたち海浜公園で観察できる動植物について勉強します。
「かいほり」現場までの道のりを散策
この日は同日開催していた「沢田湧水地ガイドツアー特別編/ニホンアカガエルの卵をさがそう」にも参加。沢田湧水地パートナーの高野さんガイドの下、さっそく沢田湧水地の中へ進んでいきます。フィールド内にはアルミ製の木道を整備。20以上のため池が点在する沢田湧水地をじっくり観察することができます。まず、高野さんが立ち止ったのは沢田川の畔。ここ沢田川にはホタルの餌になるカワニナがたくさん棲んでいます。初夏の夜にはホタルが沢田湧水地を優雅に舞うのだとか…。さらに先に進むとため池が現れます。ここではニホンアカガエルの卵が観察でき、その数は有に200以上。この調査でニホンアカガエルの生息数を予測します。
いよいよ念願の「かいほり」体験スタート
今回「かいほり」を行うのは、以前オゼイトトンボの幼虫やホトケドジョウなどが観察されたため池です。最初に湧水が噴出していた目印を中心にどこまで池を掘るかをマーキング。掘る範囲を決めたら、いよいよシャベルやくわを使って「かいほり」スタートです。まずは一番柔らかい場所を探してどんどん掘り進めていきます!「僕も掘る!」と駆け出したゆうだいくん…。ぬかるんでいる湿地帯に足をとられて身動きがとれなくなる!そんなアクシデントもありながら、池が徐々にその形を取り戻していきます。途中、さっきまで卵を探していたニホンアカガエルにも遭遇!後ろ足が長く、ジャンプ力のあるニホンアカガエルを追いかけました♪
はじめて自然環境保全の現場に携わっためいちゃんとゆうだいくん。最初は「なんでこんなことをやるの?」っと思っていたみたいでしたが、実際に多くの生きものが暮らす沢田湧水地で「かいほり」体験やニホンアカガエルの卵を観察して、フィールドワークの楽しさと重要性を実感。「この池にもカエルは卵産むかなぁ?」の質問も♪普段の生活では味わえない特別な体験を楽しみました!!
協力:ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校