早春のバーチャル野鳥観察会

2021/3/14

日増しに暖かくなり、園内を彩る花の数も増えてきました
とはいえ、まだまだ見通しが良い今の季節は、野鳥観察に最適です

 

今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「野鳥観察会」のイベントを実施することができませんでした。
参加を心待ちにしてくださっていた皆さんに、野鳥探しの楽しさや観察会の雰囲気を少しでも味わっていただければと、今回はこちらのブログにて「バーチャル野鳥観察会」を開催します

講師を務めてくださるのは、「野鳥観察会」でお馴染みの横須賀建志先生。

 

カメラを構える横須賀先生


双眼鏡を準備して、西口からいざ出発!
ひたちなか自然の森、スイセンガーデン周辺を巡り、記念の森の“バードバス”を目指します。
今は冬鳥が旅立っていく時期のため、水辺を中心に観察していきます

 

「広い場所で野鳥を探す時には、木の上を見渡して、そして地上をよく眺めるんです」と横須賀先生。目を凝らして眺めていると、さっそく水のステージ周辺にて、ハクセキレイを発見。


ハクセキレイ

 

続いて、ひたちなか自然の森へ。
木々に囲まれた園路をどんどん進んでいきます。
「野鳥は藪から出てくることが多いもの。藪への逃げ込み方で何の鳥か分かるんですよ。
たとえばビンズイは上の方に飛んでいき、アオジは藪にさっと逃げ込むんです」と横須賀先生。
集中して野鳥の気配を探します。

すぐに大きな羽ばたきの音が聞こえ、姿を現したのはハシブトガラス。
「ハシブトガラスは“カアカア”と澄んだ声で鳴くんですよ。
それに対してハシボソカラスは“ガアガア”と濁った声で鳴くんです」と先生。

 

ハシブトガラス

 

ウグイスのさえずりが森の中に響き渡る中、さらに奥へと進んでいきます。
徐々に目が慣れてきて、木々の中に動く鳥の姿を発見!
木から木へ飛び移ったり、幹を登ったり降りたりしているのは、コゲラのペアです。

 

コゲラ

一枚の写真に収めることはできませんでしたが、仲睦まじげに追いかけっこをしていました

 

続いて、スイセンガーデン方面へ。
静かな松林の中を眺めていると、なにやら動く影が。
近づくと、数羽が一斉にサッと飛び立ち、逃げてしまいました。
丸いフォルムが愛らしいアトリでした


アトリ

 

スイセンの芽が伸び始めた花畑の中では、冬鳥の代表・ツグミが、すましながら歩いています。
数歩ごとにスッと背伸びをするような歩き方がスマートです。


ツグミ

 

サイクリングコース沿いの木の枝にはシメの姿も。

 

シメ

 

距離は離れていましたが、マヒワやビンズイ、そして日本一小さな鳥と言われるキクイダタキの姿も確認できました。

 

キクイダタキ

 

そのまま、記念の森へ。
野鳥たちが水を飲んだり水浴びを楽しめるように設置している“バードバス”を目指します。
バードバスの近くのデッキでは、鳥たちの訪れを待っているお客様もいらっしゃいました。
一緒に、野鳥の登場を待ちます。

 

しばらく待っていると、シジュウカラやメジロが、こちらの様子を伺いながら近づいてきました。

 

 

バシャバシャと気持ち良さそうです。

そのうちにヤマガラも現れて、大変な賑わいに。

 

満員御礼です

 

スイセンの丘を経由して、西口に戻ります。
夕方に差し掛かり、心なしか野鳥の種類も増えてきたようです。
ジョウビタキやアオジが姿を見せてくれました。

 

ジョウビタキ

 

アオジ

 

西池のほとりでは、日本固有種と言われるセグロセキレイが、花に見とれてお散歩中


セグロセキレイ

 

西池ではオオバンが気持ち良さそうに泳いでいました。


オオバン

 

野鳥観察会のラストには、見つけた野鳥の種類を確認する「鳥あわせ」を行います。
姿を見た鳥、さえずりを聞いた鳥の名前をチェックしていきます。

 

 

曇りの日の午後の観察でしたが、出会えた野鳥の種類は22種類でした!

<野鳥の内訳は下記の通り>

カイツブリ、キジバト、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、
キクイタダキ、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、
ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、
アトリ、カワラヒワ、マヒワ、シメ、アオジ

 

最後に、横須賀先生から野鳥探しのコツを伺いました。
「バードウォチングの上達には慣れが大事。
公園の池をはじめ、家の近所の小川や田んぼの用水路など、どこか一箇所、自分のフィールドを決めてみるんです。
何度もそこに通うことで、季節や時間ごとにどんな鳥が訪れているのか、規則性を見つけられます。
まずは何度もフィールドに出て、歩いてみましょう。」

 

公園を訪れた際には、ぜひそっと、野鳥の姿を探してみてくださいね。
普段何気なく目にしたり、声を聞いていた鳥の名前が分かるようになると、日常のワンシーンも、ちょっぴり特別な気持ちで迎えられるかもしれません。

 

令和3年度は、4月4日(日)に「はじめての野鳥観察会」を開催予定です。

申し込み枠に限りはありますが、「野鳥観察会」は年に数回開催のイベントとなりますので、今後も機会がありましたら、ぜひご参加くださいね