コキアの堅い話

2012/10/22

「コキア」はアカザ科ホウキギ属の植物で和名は“ほうき草”といいズバリほうきを作る事に由来しています。原産はヨーロッパの荒れ地に育つ雑草です。日本には中国より食用として渡来しました。ヨーロッパの古い時代の物語に出てくる魔女がのって夜な夜な空を飛ぶ箒がこれで作られたものです。ひたち海浜公園のコキアは特別に丸くて大きくなる品種であり、緑色が10月に入ると赤くなるシステムはカエデが紅葉するのと同じです。

冬が近つくと気温が低くなり、根の吸水作用が弱まります。一方、空気が乾燥し、葉からの蒸散作用がしやすくなります。落葉系の植物は葉柄の基部や茎の部分に離層を作り水分や養分が失われることを防ぎます。そのため葉で作られた糖分がたまってゆき、紅色の色素が作られます。植物の本来の緑色は、クロロフィルが植物の活動が止まると共に緑色が消えて紅色が残ります。黄葉も同じ原理です。なぜ日本人は紅葉が好きなのでしょうか。

これは私が中国の湖南省の農村を昨年の8月の下旬に旅をした時に分かりました。埃っぽい農家の庭先にトウモロコシの黄色と唐辛子の赤色が、何処までも何処までも干してあるのです。

 

その風景を見て全く違和感を感じませんでした。日本人も頭の中にこの中国の自然感がきっと生きているのだと思います。

日本の皆さん、見頃のピークは過ぎましたがまだ楽しめる、ひたち海浜公園のコキアをお早めに見に来て下さい。この日本人の感性に感動しましょう。


10/21撮影

ちなみに下は“都市緑化フェアTOKYO” 日比谷公園会場のコキアたち。
ひたち海浜公園からやって来たコキアで作り上げた世界地図(~10/28まで展示)

 

ビルの上から撮りました。


自称ユニークな、私でございます。

(管理センター長 玉木)