ひたちなか自然の森 植物の看板をつくろう

植物の看板をつくろう

広大な面積を有するひたち海浜公園。ネモフィラが咲くみはらしの丘や、楽しいのりものがいっぱいのプレジャーガーデン、開放的な大草原や海が見える砂丘といくつかのエリアに分かれていて色々な風景に出会えます。その中でも今回は「樹林エリア」の体験をリポート!緑いっぱいの爽やかな散策路を歩きながら、様々な植物を観察してその特徴や見分け方を知り、出会った植物を紹介する看板をつくります。「へぇ〜」「すごい!」がたくさんある森を歩いてみましょう。

 

のんのん

のんのん
小学6年生/石岡市

くーちゃん

くーちゃん
小学4年生/日立市

てっつー

てっつー
小学4年生/日立市

 

What’s ひたちなか自然の森

ひたち海浜公園の西口・翼のゲートから入って左手奥に広がる樹林エリア。その中に「ひたちなか自然の森」は位置しています。ひたち海浜公園のある場所はかつて旧日本陸軍の飛行場があり、終戦後は米軍の射爆撃演習場となった歴史があります。昭和48年に日本政府へ返還されるまで長い間厳重に立ち入りが制限されていたのですが、その結果、貴重な生物や自然環境が残されることとなったのです。ひたちなか自然の森は、そんな既存の植生を生かしたまま整備された里山。アカマツやコナラの樹林を主体に、さまざまな植物を観察することができる環境です。木立の中に整備されたやわらかな砂地の散策路はウォーキングコースとしても人気。また、本公園は太平洋沖で暖流と寒流がぶつかる影響から、北限・南限に近い生物が混在して育成している環境であるものも特徴です。中でも、ひたちなか自然の森には「オオウメガサソウ」という、本公園が自生南限地で環境省レッドデータブックで準絶滅危惧種に選定されている珍しい植物が自生しています。公園では、専門家である「茨城生物の会」の先生や、ボランティアの力を借りながら、この場所に残る貴重な自然環境の保全にとり組んでいます。公園に遊びに来たならぜひ、ひたちなか自然の森もゆっくり散策して豊かな緑に親しんでみてくださいね。

ひたちなか自然の森

 

植物の看板をつくろうの流れ
植物の看板をつくろう_流れ

森の先生から観察メモを受け取り、説明を聞きます。森にはハチや毛虫、触っちゃいけない植物などもあるので気をつけて!

植物の看板をつくろう_流れ

自然の森散策へ出発です。先生の解説を聞きながら、ポイントや気がついたことをメモしながら進んでいきます。

植物の看板をつくろう_流れ

最初に見つけたのはアカマツ。実際に見たりふれたりしながら、葉っぱの形や数え方を教えてもらいます。

植物の看板をつくろう_流れ

とがった葉に触ってみると…痛い!針に似ていることから、これは針葉樹の仲間。

植物の看板をつくろう_流れ

右はヌルデ、左はヤマウルシ。よく似ていますが、ヌルデは軸のところにヒレのような葉がついています。

植物の看板をつくろう_流れ

冬も葉がついたままか?葉のつき方はペアになっているか互い違いか?お花や匂いは?真剣にメモを取っています。

植物の看板をつくろう_流れ

とっても背の高いヤマナラシの木。耳をすませてみると、風に揺られるカサカサとした音が聞こえました。

植物の看板をつくろう_流れ

1時間ほど森を散策したら、沢田湧水ネイチャーハウスで看板を作成!選んだ植物について詳しく書いていきます。

植物の看板をつくろう_流れ

公園を訪れたみんなに植物を紹介しましょう!今回作った看板は、自然の森にある四阿に掲示されています♪

 

ピックアップ植物の見分け方

葉の形(広葉樹・針葉樹)、葉のつくり(単葉・複葉)、葉のつき方(対生・互生)、葉が1年中あるか(常緑樹・落葉樹)など、様々な情報で植物は分類されています。どんな種類があるのか、どんな仲間なのか?身の回りの植物の多様性を知り、自然や環境への興味や理解を深めましょう!

植物の見分け方

葉が冬に落ちてしまう「落葉樹」のコナラ

植物の見分け方

1年中葉がついている「常緑樹」のアカマツ

植物の見分け方

葉が互い違いについている「互生」のクリ

植物の見分け方

葉が2枚対になってついている「対生」のガマズミ

 

森の先生

ひたち公園管理センター 邊保さん、茨城生物の会 内山さん

森の先生・内山さんからのメッセージ

今回の「植物の看板をつくろう」は、はじめての開催。ひたち海浜公園の樹林エリアを皆さんに歩いてもらって、この場所の良さを少しでも知ってもらいたいという気持ちではじまった企画です。私は「茨城生物の会」という茨城の自然を調べたり研究しながら守っていく団体の理事を務めています。ひたち海浜公園の自然の調査・保全も大切なミッションで、公園と助け合って活動しています。ひたちなか自然の森には「オオウメガサソウ」など貴重な植物もあるので、気になってよく見に来るんですよ。この森はおもしろくてちょっと不思議な特徴がある場所。例えば普通だったらスラッとしている木の形、ここの木々はゴツゴツしていたり曲がりくねっていたりするものが多いんです。海岸に近い森なので、強い海風の影響を受けたりしたんでしょうか。それに、ここは元々砂丘なので砂地の植生のはずなんですが、それともちょっと違う木々が生えている……。私にとっても興味深い森です。秋には葉が色づいたり実がなったり、季節ごとに違う景色を観察できるのでぜひまた来てみてください。少しでもいろいろな植物のことを知って、興味を持って、自然に親しんでくれたら嬉しいです。そうしたら、自然にもやさしくなれるかもしれません。

 

広報きっず報告書

 

ヤマナラシを見つけたよ! のんのん’s Report

今日は両親と参加しました。よく見ている植物ではサクラやパンジー、ラベンダーがあります。今回の体験は簡単だけど楽しかったです。私が看板を作ったのはナツハゼという木。“夏”という季節の言葉が入っているので選びました。日本全国に分布しているんだって知りました。植物のスケッチ部分を、葉っぱを紙の下に置いてなぞって写し絵にしてみたら上手にできてよかったです!森の中ではヤマウルシがとても印象に残っていて、かぶれるから触っちゃダメだよって先生に何回も言われました。でも、へんぼ先生はウルシに強いから触っても大丈夫だったのが不思議。それから、先生が探していたヤマナラシの若い木を私が見つけることができたのが嬉しかったです!

のんのん
のんのん

のんのん

いろいろな視点から観察! くーちゃん’s Report

ひたちなか自然の森に来たのは初めてです。春になるとお花が咲くサクラや、トゲトゲのマツやユズの木は知っていたけれど、森の中では色々な木を観察できました。アカマツの葉っぱも、1本だと思っていたけど実は2本ずつになっているって先生に教えてもらって驚きました。ヤマウルシとヌルデみたいによく似ているけど違う木もあって、ただ見ただけじゃ分からないこともたくさん。上を見たり、しゃがんでみたり、耳を澄ましてみたり、色々試しながら観察してみて分かることもありました。私が看板を作ったサンショウは、鼻がツーンとするにおいがしました。実を食べることも出来るし、そんな特徴を書きたくて選びました。見て、先生に聞いて、看板を作ったことでより植物を知ることができた体験でした!

くーちゃん
くーちゃん

くーちゃん

ザワザワは葉っぱがこすれる音 てっつー’s Report

公園には何回も来ていて、サイクリングですぐ近くの道は通ったこともあったけど、ひたちなか自然の森は初めて歩きました。こんなところがあるなってびっくり!学校の授業で教えてもらったサクラの木のことはよく知っています。森の中は新鮮なにおいで、空気がいいなと思いました。木の葉っぱが揺れるザワザワした音が聞こえてきて、その中でも僕が看板を作ったヤマナラシの音を一番覚えています。森の中には他にもいろいろな木があって、葉っぱに毛が生えていたり、クリみたいに実を食べることができたり、それぞれ違う特徴があって驚きました。今度クリの実を見たら、今日の体験を思い出すかも?看板づくりでは、特徴を調べたりスケッチするのが難しかったけれど、頑張りました。

てっつー
てっつー

てっつー

ひたちなか自然の森の珍しい植物!オオウメガサソウ
オオウメガサソウ
オオウメガサソウ

ツツジ科のオオウメガサソウ。梅の花に似ている花を咲かせる「ウメガサソウ」という植物があり、それよりも大きいことからこの名前が付けられているそうです。高さは10〜15センチほどで、草花のようですが、樹木の仲間です。1本ずつ生えているように見えますが、実は地下で繋がっている同じ株なんですよ。日本では北海道や青森県、岩手県と、このひたちなか自然の森など限られた場所でのみ自生している希少な植物。このひたちなかが日本の南限地ともされています。オオウメガサソウが生えている場所は、普段は立ち入りを制限して保護していますが、花が咲く5月下旬〜6月ごろには特別に公開してガイドツアーも開催しています。

 

 

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