日本の伝統農法を体感 お米の大切さと生物多様性に出会う 稲刈りとおだ掛け体験

国営ひたち海浜公園の中でも飛びぬけてたくさんの種類の生き物と出会える隠れた人気スポット沢田湧水地。
貴重なオゼイトトンボやホトケドジョウなど貴重な生物が暮らしています。
エリア内を流れる沢田川は周囲に降った雨水が地下水となって湧き出したもの。
そんな沢田湧水地に開けた水辺を作ることは、よりたくさんの種類の生物が暮らしやすい環境を整えることにつながります。
そこで、公園では明治時代以前から盛んだった水田を甦らせました。そんな水田で育った貴重な稲を伝統的な農法で収穫します。

 

トモミちゃん

トモミちゃん
小学5年生/千葉県

みあちゃん

みあちゃん
小学1年生/常陸太田市

のんピーちゃん

のんピーちゃん
小学5年生/ひたちなか市

さえちゃん

さえちゃん
小学2年生/ひたちなか市

 

What’s harvest

茨城の農文化である稲刈りとおだ掛けを体験するこのアクティビティ。砂丘美化パートナーでもある田んぼの先生たちが普段から整備してくれている、沢田湧水の湿原にある水田で開催しています。春の「田植え」からはじまり、秋の「稲刈り」、そして「脱穀」という3つの体験を通じて、日頃食べているお米がどのように育っていくのかを体感。日本の伝統的農作業を通じて、実りを収穫する喜びとお米の大切さを知ってもらいたいと田んぼの先生は話します。また、この水田は農薬も肥料も使っておらず、沢田湧水地で暮らす生物に開けた水面を提供するために作られました。このエリアに暮らすたくさんの種類の生物にとって大切なすみかになっています。そんな生物たちを観察できることもこの体験で得られる貴重な経験です。運が良ければ絶滅危惧種のタガメに出会えることもあるとか。
まずは、普段立ち入れない沢田湧水地の奥の水田に移動し開会式。鋸鎌で稲穂を摘み取るコツを教えてもらい、刈った稲穂を束ねる方法も伝授してもらいます。子供たちが稲を刈り、親が稲穂をひとまとめに束ねる。親子で協力して稲刈りを楽しみます。途中、稲刈りをするうちに水田に暮らす生物たちが顔を出します。アカトンボをはじめとしたトンボ類にイナゴ、カナヘビやアカガエルなどなど。収穫体験を楽しみつつ、休憩にはたくさんの種類の生物とふれあいます。その後、コキアが広がる古民家前で稲穂を乾燥させるおだ掛けを体験。実りの秋を親子で満喫しました。

 

稲刈り&おだ掛け体験の楽しみ方

まずは沢田湧水ネイチャーハウスで受付!ここで長靴や軍手など、稲刈りに必要な道具を借ります。

いざ沢田湧水地奥の水田に!移動の途中も生物を観察できるチャンスです。絶滅危惧種のミクリも観察できます。

開会式は水田の前で行います。田んぼの先生が稲刈りのコツを教えてくれます!実りの秋を満喫しましょう。

なによりまずはチャレンジ!鋸鎌を借りたらすぐに水田へ!稲をワシっと握って刈り取っていきます。

子供たちが刈った稲はお父さんたちが束ねます。4~6束をひとまとめにして大きな束を作っていきます。

稲刈りの途中には生物の会の先生が水田の生き物を紹介。この日はカマキリからはじまりオオコオイムシにも出会えました。

稲刈りが終わったらみはらしの里に移動!古民家前に用意されたおだに稲穂をかけて乾燥させるおだ掛けに挑戦。

大きな束の稲はどこかで2つに分かれるポイントがあります!それを探して分け目を作るのがポイント!

自分の身長よりも高いおだに勢いよく稲を吊るしていきます。少し間隔を開けて干していきます。

 

日本の伝統農法稲刈りを学ぶ

簡単そうで意外とコツのいる稲刈り! 鋸鎌を使って素早く稲を刈っていくためのポイントをご紹介します

稲は左手でまとめてつかんで鋸鎌で地面スレスレを刈る!

稲をまとめるときは穂の向きを揃えて!!

稲を縛るときはワラを数本まとめて縛ります。

ワラをねじることでしっかり稲を固定して結びます!

 

田んぼの先生からのメッセージ

「この沢田湧水地に復元した田んぼは、食べるお米を収穫するためだけでなく、ここに暮らす生物のために用意したものです。そのため農薬は一切使わず、有機肥料も追肥しません。ここで収穫した稲わらを押し切りして田んぼに戻すくらいです。途中、雑草を間引くこともありません。だから、ここに暮らす生物も安心して暮らせています。そのため、この体験ではふたつの大きなテーマを用意しています。ひとつは実りの秋を収穫する喜びを体感してもらうこと。そしてもうひとつは沢田湧水地の中でも水田を好んで棲んでいる生物を観察することです。また、一般的には稲木や稲掛けと呼ばれるおだ掛けは茨城県の伝統的農作業です。また、みはらしの里の古民家でのおだ掛けは日本の原風景を再現。この素晴らしい風景を一緒に作ってもらえることもこの体験の醍醐味のひとつだと思っています。」

 

広報きっず報告書

 

田植えから参加している!! トモミちゃん’s Report

「春の田植え体験から参加しています。近所には田んぼがないのでとっても新鮮です。千葉県に住んでいますが、普段から茨城県産のコシヒカリを食べています。美味しいお米を作るにはきれいな水が必要だと思っていました。この田んぼの水もとってもきれいで、このお米もきっと美味しいんだろうなぁっと思います。もし食べられるならおにぎりで食べたいです。稲刈りのコツは稲をしっかり持って鎌を根元にあてること。稲の下の方はちょっと硬くて刈りづらいかもしれませんが、しっかり稲を握っていると刈りやすくなると思いました。おだ掛けはとっても楽しかったです。でも、昔の農家さんは、こんな大変な作業をしてお米を作っていたんだと知れて嬉しかったです。これからもお米を大切に食べたいと思います。」

昔の米つくりを家族で実践 みあちゃん’s Report

「家の周りは田んぼが広がる常陸太田。お父さんもお米づくりのお手伝いをしています。普段から見ている田植えや稲刈りだけど、鎌を使った昔の稲刈りを一緒に体験しようとお父さんとお母さんと3人で参加しました。実は鎌を使って稲を刈るのは今回がはじめて。でも、いざ使ってみると意外と簡単でした。もし友達にコツを聞かれたら、『鎌は丸くまわすように使うと上手にできるんだよ』って教えてあげます。お父さんがどんどん稲を刈って、刈った稲をたくさんまとめていく姿はとってもカッコよかったです。また、田んぼの先生には田んぼにいろんな生き物が暮らしていることを教えてもらいました。カナヘビは細くてすばしっこくて見つけるのが大変でした。これからもお米を大切にしたいです。」

姉妹で参加のお姉ちゃん のんピー’s Report

「はじめて稲刈り体験に参加しました。家の近くにも田んぼはあまりなく、普段からどうやってお米ができるのかは知りませんでした。今回の体験ではじめて稲刈りをやってみて、鎌を使ってみるととても楽しくて勉強になりました。稲刈り用の鎌は、普段家で使っている鎌とは違って、歯の先がギザギザしていて、とっても刈りやすくなっていました。田んぼの先生にはお米のことはもちろん、田んぼに暮らす生き物のことをたくさん教えてもらいました。オンブバッタは大きい方がメスで、小さい方がオスだとか、アカガエルはお腹がプニョプニョしていてちょっと気持ち悪かったり。普段、あまり経験できないことが体験できました。それと、普通にカエルを捕まえたお父さんは凄いと思いました!!」

おにぎりはゴマ昆布!! さえちゃん’s Report

「初めての稲刈り体験はお姉ちゃんと一緒に参加しました。最初はどうやっていいか分からなかったのですが、田んぼの先生が教えてくれた通りに鎌を使って稲を刈ったら一直線にどんどん刈りとれました。軍手をして手を切らないよう気を付けながら、ぐっと掴んでまとめて一気に鎌で刈り取るのがポイントです。でも、稲の下の方は硬いのでコツがいるかもしれません。他にも田んぼの先生はトンボの捕まえ方も教えてくれました。でも、はじめて見たカナヘビを触ることはできませんでした。おだ掛けはとっても簡単。株を探しながら束ねた稲をふたつに割ったら、稲刈りのときと同じように勢いよく棒に稲を引っかけます。次にまた参加できたら、今度はもっとたくさんの稲を刈りたいです。」

 

 

次回、広報きっずレポートは2019年1月13日開催の「かんたん陶芸教室」です。
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