茨城町中石崎の涸沼(ひぬま)自然公園は、関東唯一の汽水湖・涸沼のほとりにある公園です。自然の地形をそのまま生かして造られているのが魅力。涸沼はシジミ漁でも知られています。
約34.5ヘクタールの敷地に5つの広場があり、アジサイをはじめ、四季の花が楽しめます。近年はキャンプスポットとしても県内外から注目を集めています。
涸沼自然公園を管理する茨城町商工観光課の小松陽人さんに、園内を案内してもらいました。
園内の「わいわい広場」にある「ひぬまあじさいランド」は、2023年4月にオープンした、子ども向けのアスレチック遊具です。
遊具は高さ7メートル、幅約26メートル。5つの滑り台や、ロープにぶら下がって進む「ロープウエイ」などがあり、「のぼる・わたる・すべる」などの遊びが楽しめます。園内に咲くアジサイや、町指定天然記念物のヒヌマイトトンボをモチーフにした、カラフルでかわいらしいデザインも魅力。遊具の対象年齢は6〜12歳で、ほかに、3〜6歳対象の幼児用の遊具もあります。「広場にお弁当持参で訪れ、1日のんびり過ごす家族も多いです」と、小松さん。
公園は、「アジサイの公園」としても地元に知られています。アジサイは、園内の「あじさいの谷」を中心に、30種類、約1万株が植えられていて、毎年6〜7月に開花します。花の見頃時期には、イベント「ひぬまあじさいまつり」が開催され、多くの人たちでにぎわいます。アジサイの開花時期は、ウォーキングコースの「あじさいコース」を散歩するのがおすすめ。徒歩で約30分ほどのコースになっています。
小松さんによると、園内にある「涸沼“絶景”ポイント」も、花と一緒に楽しんでほしい場所の一つ。小松さんは、「町内の人にもあまり知られていないのですが、穏やかに水をたたえる涸沼を一望できる、すてきな場所。ここへ来ると、思わず深呼吸したくなります」と、話しています。
公園はキャンプ場を併設しています。広い芝生に自由にテントを張れる「テントサイト」と、自動車1台の乗り入れができる「オートサイト」の2つのエリアがあります。
テントサイトは、最大250張りが可能です。全面が平坦な芝生で、「子どもが走り回っても安心」などと、特に家族連れのキャンパーに喜ばれています。小松さんもキャンプが趣味で、家族でキャンプに出かける時は、ここに来るそう。また、「ここからキャンプを始める」という初心者も多いといいます。オートサイトは、すべてAC電源付きで、全56区画あります。
キャンプブームの近年は、茨城県や、県外のアウトドアメーカーが主催するキャンプイベントの会場に選ばれるなど、県内外から注目が集まっています。
涸沼は野鳥の宝庫です。2015年には、国際的に重要な湿地の保全を目指す「ラムサール条約」に登録されました。涸沼の湖畔にも足を伸ばして、野鳥を観察してみませんか。長年にわたって涸沼の野鳥を撮影している茨城町の清水道雄さんの写真を通して、涸沼で見られる野鳥の一部を紹介します。
涸沼自然公園
所在地: 茨城町中石崎2263(管理事務所)
利用時間: 9:00〜17:00
休園日: 4〜10月は無休、11〜3月は毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開園し、翌日休み)、12月28日〜1月4日
入園料: 無料
涸沼自然公園キャンプ場
利用期間: 通年
休園日: 毎週水曜日(祝日と祝日の前日を除く)、12月28日〜1月4日
利用には予約が必要(予約は利用日の2か月前までの1日から可能、当日は不可)
予約電話番号(管理事務所): 029-293-7441(8:30〜17:00)