地元で出会った人に聞いてみる
豊かな水と自然に恵まれた茨城県。県内には46もの酒蔵があり、その数は関東地方最多を誇ります!酒づくりのシーズンは、一年で最も寒い今の時期。今回の「さんぽのおとも道」では、仕込みの最盛期を迎える中、水戸市の吉久保酒造さんにお話を聞いてきました。
江戸時代の寛政2年、西暦1790年から酒造りを始めたという歴史深い吉久保酒造。元々は米問屋を営んでいたそうですが、美味しい米と水を活かそうと造り酒屋に転向したそうです。水戸市には笠原水源という豊富な湧水があり、かの徳川光圀公がここから上水道を整備させたという逸話が残っています。吉久保酒造では、酒造りを始めたときから200年以上経った今でも変わらず、笠原水源の名水を仕込み水に使用。そんな歴史を持つ反面、味作りについては先進的な考えも積極的に取り入れ、常にチャレンジを続けている蔵なのです。
精米、蒸米、麹づくり、酒母づくり、もろみの発酵、搾り、ろ過、そして火入れ、貯蔵、熟成…と、数々の工程を経てようやく完成する日本酒。蔵人たちは、酒造りを管理する「杜氏」の下で仕込みを行います。それぞれに高い技術や練度が必要とされ、その舵取りをする杜氏は特に重要な役割。吉久保酒造の蔵人たちは、なんと平均年齢30代と若い職人なのですが、みな他に引けを取らない熟練の腕前です。現在、杜氏を務める鈴木さんは18歳から蔵に入り、名人と呼ばれた南部杜氏・佐々木勝雄氏を含め三代の杜氏について学んできました。その経験に加え、これまで蓄積してきたデータを活かして確かな酒造りを行います。酵母や麹菌はとても繊細な生き物。ほんの些細な条件変化でも影響を受け、うまくいかないことも…。そのため、温度や時間等を事細かに記録し、データとして裏付けを行うことで常に上方修正へ繋げるのです。そんな吉久保酒造の日本酒は、国内だけに留まらず世界の数々のコンテストでも高い評価を得ています。
吉久保酒造の代表銘柄・一品。普通酒〜大吟醸、限定酒も含め多くのラインナップを展開していますが、一貫して「旨味のある辛口のお酒を造っています」と、吉久保社長。それにはこんな理由がありました。
「一品は、地元の食べ物との相性を考えた味づくりを大切にしています。例えば、冬のあんこう鍋。夏はカツオや岩ガキ…ひたちなか・水戸周辺で味わえる名物は、旨味成分が強いものが多いです。それに合わせるなら、酒自体に旨味があってすっきり辛口でないと。食材に負けることなく、さらにその美味を引き上げてくれる。ぜひ茨城の美味と一品を一緒に楽しんでもらいたいですね」
また、新商品の研究・開発にも積極的なのが吉久保酒造の特長。アルコール度数低めでシュワシュワ感を楽しめる国産マッコリ「うさぎのダンス」。寒天入りでプルプルとしたデザート感覚梅酒「Jellica(ジェリカ)」は、可愛らしいパッケージも相まって若い女性層に人気を博しています。
水戸で生まれ、水戸で育まれた吉久保の美酒。楽しい旅の食事と一緒に、そしてお土産に、ぜひおともにしてくださいね。
公園から車で約25分
所在地:水戸市本町3-9-5
問い合わせ先:029-224-4111 ※要予約で蔵見学も可能です。詳しくは、お問い合わせください!
公園から車で約40分
茨城県那珂市鴻巣1257
問い合わせ先:029-298-0105
蔵見学:1名〜可能 電話にて予約要
公園から車で約40分(高速利用)
茨城県水戸市元吉田町327
問い合わせ先:029-246-4811
蔵見学:1名〜可能 電話にて予約要
公園から車で約30分
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町638
問い合わせ先:029-266-2168
蔵見学:4月〜 電話にて予約要
公園から車で約45分(高速利用)
茨城県笠間市笠間1339
問い合わせ先:0296-72-0021
※施設見学は当日可能
国営ひたち海浜公園のある茨城県ひたちなか市。北には東海村や日立市の工業都市、西には水戸市、笠間市といった歴史と伝統が息づく街、南には大洗町や茨城町、鉾田市といった大規模な野菜生産地に囲まれています。地元で暮らす観光マイスターや観光協会に在籍する皆さんに、お散歩したいオススメを紹介してもらいました♪