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さんぽの
おとも道

国内有数のメロン生産地で、最も美味しく味わえる採れたて完熟メロン

滴る程の多汁、濃厚な味わいの果肉、幸せを呼ぶ芳しい香り…。子供から大人まで幅広い世代に愛され続ける、果物の代表格であるメロン。
茨城県はメロンの生産量が日本一。中でも鹿行地域に位置する鉾田市は県内有数の名産地です。
そんなメロンを最も美味しく味わえるのは、採れたての完熟メロン。「最高の状態で味わって貰いたい」と、地元の契約農家、種苗メーカーと旨さにこだわった完熟メロンをプロデュースする方が今回の主人公。フォレストパーク「メロンの森」の白井さんは、可能性を秘めた品種を掘り起こし、メロンのさらなる可能性に挑戦し続けています。初夏を迎えたひたち海浜公園と一緒に、産地ならではの絶品メロンを味わいに出かけてみませんか?

 

白井 透さん
1951年生まれ、鉾田市出身。鹿島臨海工業地帯の化学プラントで働いていた最中、実家の酒店を継ぐため脱サラ。98年、パソコンブームを機に酒のネット販売をスタート。オンリーワンの店舗を目指し、地元の特産品である完熟メロンのネット販売を開始。2000年に有限会社ライフステージを設立し、完熟メロン狩りとバーベキューが楽しめるフォレストパーク「メロンの森」を創業。

最高の完熟メロンを見定めてカット

緑あふれる自然豊かなフォレストパーク「メロンの森」。いちご狩りやブルーベリー狩りのように、名産地ならではの完熟メロン狩りができる場所です。
葉の黄ばみや枯れは実が充分に熟している証拠。網目は均一に細かく、張りが力強く盛り上がっているものがベター。成りツル・ヘタの状態は春メロンの場合、ヘタの周りにリング状に割れが生じているもので、秋メロンは成りツル(首)の色が薄くなり、長さは指1本が入るくらいのやや短め、またT字のツルはしっかりとやや太めのもの。メロンの底にひび割れ、完熟割れが現れていたら最高の状態です。
そのように味わいが左右する葉・網目(ネット)・成りツル・ヘタ・大きさをじっくり見定めて、自分でハサミを用いてカットして持ち帰ることが醍醐味。
「多い日だと1000人以上がメロン狩りを楽しんでいかれます。その場でお好みの品種の半身も味わっていただけるので、お客様の『本当に美味しい!』『こんなに美味しいメロンは初めて!』の声がダイレクトで聞けて嬉しいです」とスタッフ。
売り物にならないメロンを活用したソフトクリームや生搾りジュース、森林浴をしながら味わう茨城県ブランド牛「常陸牛」のバーベキューも好評です。

オンリーワンのメロンを目指して

白井さんの実家は鉾田市にある酒屋。次男だった白井さんは、鹿島臨海工業地帯の化学プラントに就職し、9年間サラリーマン生活を送っていました。そんな中、高齢の母親が病に倒れ、後継ぎ候補だった長男が帰郷するのかと思いきや、都内の企業ですでに成功を収めており、急遽白井さんに白羽の矢が。程なくして実家を継ぐと、98年のコンピューターブームが到来。自身でホームページを作成し、地域の酒屋としては先駆けてネット販売を始め、経営者としての頭角を現していきます。やるからには、とことんやるのが性分。オンリーワンを追求する中で、目を付けたのが地元の名産品のメロンでした。
物流の関係もあり、市場に出回るのは熟す前に収穫したもの。メロンを食す時は、好みの食感や味わいになるまで寝かせて調整するのが一般的です。しかし本来の旨味を味わえるのは、畑で完熟させてから収穫するメロン。もちろん完熟は一歩間違えれば割れたり、腐ったり、病気にもなりやすいリスクもあります。その反面、味は格別で、産地の農家や一部の人は味わえるけれども、他の地域の人々はなかなか知らないのが現状でした。
「うちのメロンを食べなければ、メロンを語れない。そんな完熟メロンを提供しよう」と白井さんは立ち上がりました。
そして高品質のメロンを育てる地元農家と契約。早速、ネットで完熟メロンの販売を始めると、たちまち評判となりました。次第に旅行会社からメロン狩りの依頼が殺到。ネット販売から2年目で観光バスがやって来る程の人気となり、フォレストパーク「メロンの森」のオープンへと至ったのです。

茨城全体のブランド力も上げたい

硬めの赤肉で濃醇な味わいの「ひたち姫」、歯応えが良く、とてもジューシーな「彩のしずく」、甘味が強く、みずみずしさ満点の「夢麻呂」など、メロンの森が初夏の時期に提供するのは、どれもオリジナル品種。ここでしか味わえない、まさにオンリーワンの逸品です。
これらは全て交雑育種である雑種メロン。美味しいけれども、何か欠点がある。そんな全国各地の種苗メーカーに眠っていた品種を掘り起こしたり、共にコラボレーションしてチャレンジした品種です。
「割れやすかったり、発芽率が悪かったり、ロスが多かったり、欠点があるものばかりですが、雑種ならではの旨さがあるんですよ。人間だって、足が早い人、頭がいい人、そうでない人と色々いるように、個性を活かしてどのようにプロデュースするかなんです。うちが商品として採用する基準は旨さ。種苗メーカーが全て栽培技術を提供してくれるし、地元のプロの農家が丹精込めて手掛けてくれる。それを真心込めて、一番の状態を食べていただきたいのです」
茨城のメロンは日本一の生産量でありながら、その認知度や評価はまだまだ発展途上。白井さんは「メロンの森の評価がもっと上がれば、茨城全体の評価にも反映されていくはず。更にオンリーワンのブランドを目指していきたいです」と未来を見据えています。
初夏と秋の到来を告げるメロン。ネモフィラやコキアの絶景を眺めた後は、ちょっと鉾田まで足を伸ばして、メロン狩りに訪れてみませんか?

取材協力: フォレストパーク メロンの森

所在地: 茨城県鉾田市安房1971-1
電話: 0291-33-5621
営業時間: 9:00〜18:00(5月2日〜7月4日予定)
定休日: 期間中無休

  • メロン狩りは予約なしでも受付可能です。
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地元スペシャリストがナビゲート

おさんぽコンシェルジュ

国営ひたち海浜公園のある茨城県ひたちなか市。北には東海村や日立市の工業都市、西には水戸市、笠間市といった歴史と伝統が息づく街、南には大洗町や茨城町、鉾田市といった大規模な野菜生産地に囲まれています。地元で暮らす観光マイスターや観光協会に在籍する皆さんに、お散歩したいおすすめスポットを紹介してもらいました。

 


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さんぽのおとも道

絶景やおいしい料理など、旅の想い出はいろいろありますが、やっぱり一番印象に残るのはその町で暮らす人たちとの出会い。国営ひたち海浜公園の周辺で暮らす、笑顔が素敵な町の人たちにお話を聞いてみました。散歩のお供に、ちょっと寄り道したくなる素敵な出会い。きっとあなたの旅をホッコリしたものにしてくれるはずです。

 


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地元で暮らす国営ひたち海浜公園スタッフだからこそ知っている、ちょっとマニアックな話をご紹介。周辺観光はもちろん、海浜公園の中のスタッフだから知っている秘密まで!ちょっとしたオタクネタから、一大イベントの裏側、そして海浜公園を支える地元の熱い人たちまで。いろんなジャンルのよもやま話を展開していきます。

 

 

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