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地元サイクリストに聞く、自転車旅の楽しみ方

燃料要らず、渋滞知らず、エコでクリーンな自転車。子どもから大人まで、多くの方が親しむ乗り物です。通勤、通学の足としてはもちろんのこと、サイクルレジャーやスポーツユースも人気。国営ひたち海浜公園でもサイクリングコースやBMX(バイシクルモトクロス)コースを整備しており、広く利用されています。
今回は、ひたち海浜公園のあるひたちなか市内の老舗サイクルショップ「グリーンサイクルさいと」の店長・峯岸さんに、自転車の楽しみ方を聞いてみました。ゆるゆるサイクリングを愛して40年の峯岸さん。サイクリングを楽しむコツや、ひたちなか周辺のおすすめサイクリングスポットなども教えて頂きました。
今度の休日は、お気に入りの自転車で出かけてみませんか?

 

峯岸 行生さん
1962年茨城県生まれ、56歳。2008年に会社員から創業40年来の老舗サイクルショップ「グリーンサイクルさいと」に転職、現在同店の店長を務める。自身も子どもの頃から自転車を愛しており、愛車と共に全国各地を旅してきた。愛称は「峯ちゃん」。

自転車に魅せられ40年

ふたつの車輪で颯爽と街を駆ける自転車。子どもから大人まで、多くの人が日常的に愛用している乗り物です。峯岸さんが、そんな自転車の楽しさに魅せられたのは中学校1年生のこと。自転車通学を始めたのがきっかけです。
「自転車のおかげで、世界が大きく広がりました。自分の力でどこでも行けるのが嬉しくて仕方なかったです」と当時のことを懐かしむ峯岸さん。自転車専門誌を擦り切れるまで愛読するほど自転車の魅力にとりつかれた峯岸少年が、通学用のシティサイクルでは飽き足らずスポーツバイクの世界へと足を踏み入れるのにさして時間はかかりませんでした。
自分の欲しい自転車を買うために、お小遣いを貯めることにした峯岸さん。2年間の貯金で購入したのは、私たちがよくショップで目にする完成車ではなく「フレーム」でした。それから「サドル」「ハンドル」etc…と、一つひとつパーツを買い揃え、自分の自転車を組み立てるに至ったのは中学3年生の夏休みのこと。「自分で組んだ自転車で走るのはとびっきり楽しかったです。当時は同級生の仲間たちと一緒に、休みのたびにサイクリングに出かけていましたね」
実は峯岸さんが初めてパーツを買い揃えたのが、現在お勤めの「グリーンサイクルさいと」代表の斉藤さんのお店(当時はひたちなか市表町)だったそう。それから時を経て、「まさか自分がスタッフになるとは思ってもみなかった」と峯岸さん。まさに運命の出会いだったのです。

ゆるゆる自転車旅の楽しみ方

これまで数々の自転車旅を楽しんできた峯岸さん。自転車を車載して旅先でのサイクリングを楽しんだり、電車で輪行旅へ出かけたり、自宅からのロングライドにも挑戦したと言います。「高校時代には、自作した自転車で奥日光へ3泊4日の旅をしたこともあります。サラリーマンを退職した2008年には、四万十川を見に行きたくて四国までふらり10日間の旅を満喫してきました」。自転車旅をこよなく愛する峯岸さんが提唱する、ゆるゆるサイクリングを楽しむコツ三か条は、
「目的地とコースはざっくりアバウトに」
「ナビはなるべく使わず、紙の地図を相棒に」
「道草大歓迎!気になったらすぐにUターン!」
天気や体調、気分で「どのくらい走れるか」のあたりを付けて出発したら、あとは気の向くまま風の向くままというのが峯ちゃんスタイルです。自動車よりもゆっくりだから、眺めが良いところではスピードを緩めて走ったり、気になるお店を見つけたらすぐに寄り道したりできる小回りの良さも自転車ならではの魅力。また、紙の地図も自転車旅を盛り上げてくれるアイテムだと峯岸さんは強く勧めます。「地図を広げた瞬間から、旅が始まるんです。景色や町並みをあれこれ想像するのも楽しいもの。それに、道に迷ったときに地図を広げているとその土地の人が声をかけてくれることもあって、それがコミュニケーションのきっかけになる。ナビの示すままに走っていたら、そういう楽しみを見逃しちゃうかもしれませんよね」

 

サイクリングは安全第一

とはいえ、旅にトラブルはつきもの。過酷な峠道や、急な雨、そして愛車のパンクなど…。でも、峯岸さんのゆるゆるサイクリングは、ちょっとしたトラブルも旅の醍醐味のひとつ。「慌てず焦らず、無理をしない」からこそ、そんな状況も楽しむ余裕が生まれるのです。逆にトラブルがあった旅の方が思い出に残る、とも話してくれました。
ここまでサイクリングの楽しみを綴ってきましたが、峯岸さんがもっとも大切だと強調するのが自転車のメンテナンスです。
「自分の命を預けるものですから、メンテナンスは必須です。意外に忘れられてしまうのですが、自転車は消耗品。程度や期間に差はあれど、どの自転車も必ず寿命があります。日頃の手入れはもちろん、異変を感じたらすぐにプロにチェックしてもらい、安全にサイクリングを楽しんでほしいですね」と峯岸さん。また、自分に合った自転車選びもポイントです。グリーンサイクルさいとで取り扱う自転車は、有名メーカーや価格帯にこだわらない個性的なラインナップ。サドルの高さだけでなくハンドルのポジショニングも調整できるなど、なるべく身体に合わせることができる良心的な部品構成の自転車も仕入れるようにしているそうです。自身がサイクリングを楽しんでいるからこそのこだわりや愛情を感じます。
最後に、ひたち海浜公園の近隣でおすすめのサイクリングコースを伺いました。「景色が良いところと、比較的交通量が少ないところがいいですね。ひたち海浜公園の近くなら、公園から阿字ヶ浦方面に向かい、海岸線を那珂湊おさかな市場の方へ走って海門橋を渡って大洗水族館へ。家族や初心者でも楽しめる手軽な距離です。もう少し走れるなら、水戸の偕楽園を目指すのもおすすめです。那珂川の川沿いを行き、千波湖をぐるりと走って…ぜひ道に迷いながら行ってみてください」
ひたち海浜公園の周辺はサイクリングに絶好のロケーション。お天気の良い日はぜひ自転車を積んで茨城へ遊びに来てはいかがでしょうか。

取材協力: グリーンサイクルさいと

所在地: ひたちなか市東石川2-14-2
電話: 029-274-8351
営業時間: 9:30〜18:30
休み: 火曜日、年末年始(2018年12月29日〜2019年1月3日)

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地元スペシャリストがナビゲート

おさんぽコンシェルジュ

国営ひたち海浜公園のある茨城県ひたちなか市。北には東海村や日立市の工業都市、西には水戸市、笠間市といった歴史と伝統が息づく街、南には大洗町や茨城町、鉾田市といった大規模な野菜生産地に囲まれています。地元で暮らす観光マイスターや観光協会に在籍する皆さんに、お散歩したいおすすめスポットを紹介してもらいました。

 


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さんぽのおとも道

絶景やおいしい料理など、旅の想い出はいろいろありますが、やっぱり一番印象に残るのはその町で暮らす人たちとの出会い。国営ひたち海浜公園の周辺で暮らす、笑顔が素敵な町の人たちにお話を聞いてみました。散歩のお供に、ちょっと寄り道したくなる素敵な出会い。きっとあなたの旅をホッコリしたものにしてくれるはずです。

 


ひたち海浜公園スタッフのとっておき

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地元で暮らす国営ひたち海浜公園スタッフだからこそ知っている、ちょっとマニアックな話をご紹介。周辺観光はもちろん、海浜公園の中のスタッフだから知っている秘密まで!ちょっとしたオタクネタから、一大イベントの裏側、そして海浜公園を支える地元の熱い人たちまで。いろんなジャンルのよもやま話を展開していきます。

 

 

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