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ひたちなか生まれ、ひたちなか育ちのプロサーファーに聞く 〜SURF LIFE IN IBARAKI~

太平洋に面した茨城県。長い海岸線を持ち、気候も年間を通して比較的穏やかなことから、多くの人がマリンスポーツを楽しみに訪れます。中でも、サーフィンは毎年国内プロツアーも開催され、日常的に本格サーフィンを楽しめる環境を求めて茨城に移住してくるという人も。そんな茨城のサーフシーンを、いま牽引しているプロサーファーのひとりが、今回インタビューした石崎孝行さんです。
石崎さんは、ひたち海浜公園のあるひたちなか市生まれ、ひたちなか市在住。現在、プロ13年目の32歳です。子どもの頃から茨城の海に慣れ親しんで育った石崎さん。そんな彼をとらえて離さないサーフィンの魅力や、日々見ているからこそ分かる茨城のマリンライフについてなどなど。皆さんもサーフィンにチャレンジしたくなるような、ステキなお話を伺いました。
今年の夏は、茨城の海へおさんぽに出かけてみませんか。

 

石崎 孝行さん
1986年1月20日茨城県生まれ、ひたちなか市在住。幼少期よりサーフィンに慣れ親しんで育ち、20歳で日本プロサーフィン連盟プロ登録を果たす。現在は自身のショップ「サーフショップDUMPER」を大洗町大貫海岸前に構え、国内プロツアーをまわる日々。

小3から始めたサーフィンを生業に

茨城県大洗町。県下屈指の人気を誇る海水浴場・大洗サンビーチのすぐ近くに構えるサーフショップDUMPERの店主・石崎さん。お店の入り口に立てば、青い海原が視界に入ります。
「10歳でサーフィンを始めて、小6の頃にはプロになろうと決めていました」と話す石崎さん。そう志した彼は、腕を磨き、実績を積み、20歳でプロ登録を果たしました。子どもの頃から、石崎さんの人生はサーフィン一色だと言います。
「俺がサーフィンを始めたきっかけは父でした」
実は石崎さんのお父さんもサーファーで、かつてひたちなか市阿字ヶ浦海岸……ひたち海浜公園にもほど近いビーチでサーフショップを営んでいたのです。20〜30年ほど前、阿字ヶ浦は全国にその名を馳せるサーフスポットとして一世を風靡していました。その中心的存在として、石崎さんのお父さんのショップ「STICK HOUSE」にも多くのサーファーが集い、賑わっていたのです。取材の日、偶然にも石崎さんのお父さんがいらしていたのでお話を伺いました。「1982年の4月に、阿字ヶ浦で初めてのサーフショップとしてオープンしました。まだ、サーフィンのお店なんて何にもなかったところにぽつんと一軒。そこから2002年までやりましたね」
父親のお店に集まるサーファー達の雄姿は、石崎少年の心に多大なる影響を与えることになりました。「やっぱりカッコいいと思って憧れましたよね。プロになろうって決めたのも、間違いなくその影響です」

世界中で人気を誇るサーフィンの魅力

とはいえ、ひと言で「プロになる」と言っても、その道のりは険しく厳しいもの。日本プロサーフィン連盟の公認プロになるには、国内のアマチュア大会で実績を得た後にプロトライアル大会へ出場し、規定以上の成績を収めることが出来れば合格。毎年多くのサーファーがプロを目指して挑戦していますが、その合格率は非常に少なく、結果として諦めてしまう人も数多だとか。現在、茨城県内でプロ登録している人はおよそ10名ほどで、そのうちプロツアーにシーズン通して挑戦しているのは石崎さん含め2名です。
「世界規模で見ると、サーフィンってすごく人気でプレイ人口もとても多いスポーツなんですが、日本ではまだまだ。もっと知名度を上げたいですね!」
では、世界中でファンを獲得しているサーフィンの魅力はどんなところにあるのでしょうか?そう伺うと、石崎さんはこう言いました。
「サーフィンは自然相手なので、毎回、常に違うんですよね。場所が違えば波の感じはもちろん違うし、同じポイントでも、天気や時間帯、風向きとかによってがらりと変わっちゃいます。刻一刻変化する波をとらえるのはすごく難しいですが、それに上手くのれたときの快感を知ってしまうと、もうそれに夢中になっちゃいます」
実際、大洗海岸の中だけでも北側の大洗水族館下付近と南側の大洗サンビーチ付近では波質がまったく違うのだとか。南側は比較的風が穏やかで遠浅なこともあって初心者向け、北側は逆に波が力強く、プロツアーも開催される上級者向けエリアです。

 

サーフィンの楽しみ方

全国各地や世界各国のサーフポイントを訪れる石崎さん。その中で最も印象に残っている場所を聞くと「ハワイですね」と即答でした。
「サーファーの聖地ですから、世界中からとにかくたくさんの人が波乗りに行きます。数メートル、俺のショップの高さぐらいのでっかい波は当たり前。もちろん怖いですよ。それでも、腹を据えて大きな波に向かっていって、波の上から見えた景色ほど心地良いものはない。ハイリスクハイリターンです」
また、サーフィンをやっていると「言葉が通じなくても世界中に友達ができる」と話すのは石崎さんのお父さん。今でも、サーフ仲間に会いに海外へ足を運ぶそうです。そういったコミュニケーションツールとしても魅力的なサーフィン。2020年の東京オリンピック正式種目にも選ばれ、更なる注目が集まることが期待されます!
「サーフィンやってみたい!って思ったら、まずはどこかのショップを訪ねてみるのがオススメです。今はボードも何でも、サーフギアがインターネット通販で購入できちゃうんですが…身長など、色々な条件を考えて自分に合ったサーフギアを選ぶのがとても大事。安全面でも重要です。うちのショップでもスクールをやっていますが、まずボードの上に立てると皆さん楽しくなりますね。それから、水の上を滑ることが出来るようになるともう夢中です。大洗は初心者にも優しいポイントがありますから、ぜひ気軽に楽しみに来てください。漁師町でもあるので、しらすやあんこう、ハマグリなど美味しい海産物もたくさんありますよ!」
今年の夏は、ひたち海浜公園とサーフィン体験を楽しんでみてはいかが。自然の力を全身に感じることができるスポーツ。 安全に長く楽しむことができるので、はじめにインストラクターのレクチャーを受けることがポイントです。

取材協力: サーフショップDUMPER

所在地: 東茨城郡大洗町大貫町256
電話: 080-2262-8263
営業時間: 9:00〜17:00
休み: 月曜定休、その他不定休

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地元スペシャリストがナビゲート

おさんぽコンシェルジュ

国営ひたち海浜公園のある茨城県ひたちなか市。北には東海村や日立市の工業都市、西には水戸市、笠間市といった歴史と伝統が息づく街、南には大洗町や茨城町、鉾田市といった大規模な野菜生産地に囲まれています。地元で暮らす観光マイスターや観光協会に在籍する皆さんに、お散歩したいオススメを紹介してもらいました♪

 


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さんぽのおとも道

絶景やおいしい料理など、旅の想い出はいろいろありますが、やっぱり一番印象に残るのはその町で暮らす人たちとの出会い。国営ひたち海浜公園の周辺で暮らす、笑顔が素敵な町の人たちにお話を聞いてみました。散歩のお供に、ちょっと寄り道したくなる素敵な出会い。きっとあなたの旅をホッコリしたものにしてくれるはずです。

 


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地元で暮らす国営ひたち海浜公園スタッフだからこそ知っている、ちょっとマニアックな話をご紹介。周辺観光はもちろん、海浜公園の中のスタッフだから知っている秘密まで!ちょっとしたオタクネタから、一大イベントの裏側、そして海浜公園を支える地元の熱い人たちまで。いろんなジャンルのよもやま話を展開していきます。

 

 

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